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ナスカンは消耗品?軸が抜けてしまう原因とは

ナスカンは消耗品?軸が抜けてしまう原因とは レザークラフト
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先日、レザークラフトの作品に使われているナスカンの修理依頼をいただきました。問題となっていたのは、ナスカンの軸の部分がすり減り、最終的に抜けてしまったという状況です。このブログでは、修理を通してナスカンの仕組みや種類、また、ナスカンの軸が抜ける原因について解説します。

ナスカンとは?

「ナスカン」とは、フック部分とDカン部分が回転するように組み合わされた金具で、バッグやストラップ、ペットのリードなどに広く使われています。この金具は簡単に開閉できるため、物の固定や取り外しがスムーズに行えます。また、軸が回転する仕組みにより、ストラップや紐が絡みにくく、使いやすい点が特徴です。

ナスカンの仕組み

ナスカンは、大きく分けてフック部分とDカン部分ので構成されており、それらが360度回転する仕組みで連結されています。フック部分は物を引っ掛ける役割を果たし、Dカン部分はストラップなどを取り付けるための輪状のパーツです。この2つをつなぐ軸が滑らかに回転することで、ナスカンはさまざまな方向に動かせるようになっています。

ナスカンの仕組み

ナスカンの種類

ナスカンには、フック部分のデザインによって大きく分けて3つの種類があります。

  • レバー付ナスカン
    フック部分にレバーが付いており、レバーを操作することで開閉することができます。
  • 鉄砲ナスカン
    フック部分が円筒状になっており、小さな突起をスライドすることで開閉することができます。
  • 網ナスカン
    レバーや突起などを操作することなく、そのまま内側に押し込むことにより、開閉することができます。
ナスカンの種類
左から 【レバー付ナスカン】【鉄砲ナスカン】【網ナスカン】

ナスカンの軸が抜ける原因

ナスカンの軸が抜けてしまう原因はいくつかあります。

摩耗や劣化

長期間使用することにより、軸が摩耗して元の太さや強度を失うことがあります。その結果、突然抜け落ちたり、軽い衝撃でも外れることがあります。

ナスカン:軸の摩耗

過度な負荷がかかる

耐荷重以上の重い物を吊るしたり、強い衝撃を加えたりすると、ナスカンの軸に過度な負荷がかかります。これが繰り返されると、軸が固定されている部分にストレスが溜まり、最終的には軸が抜けてしまうことがあります。
 

修理(ナスカンの交換)

今回は、リップクリームホルダーのナスカンが突然外れてしまったということで修理のご依頼をいただきました。

修理方法

ナスカンの軸が摩耗してフック部分が完全に外れていました。
修理は新しいナスカンへの交換で対応します。

ナスカンが抜けたリップクリームホルダー
ナスカンが摩耗して抜けた状態

古いナスカンを外す

まず、残っている古いナスカンの部品(Dカン部分)を外します。
かばん屋さんのキット「金具はずしキット」を使用して、カシメを取り外します。

ナスカンの交換:カシメを「金具外しキット」を使って外す
古いナスカンを取り外す

※ かばん屋さんの「金具はずしキット」の使い方については、以前の記事で詳しく解説しておりますので、そちらをご参照ください

新しいナスカンの取り付け

新しいナスカンをカシメで取り付けます。

新しいナスカンの取り付け

正面のバネホックを確認したところ、これもかなり摩耗していたため、併せて交換することにしました。

バネホックの交換

仕上げ

最後に、汚れを落とし、オイルをしみ込ませて修理完了です。

ナスカンの交換完了

ナスカンを安全に使用するためには

ナスカンを安全に使用するためには、以下のポイントに注意してください。

定期的な点検

定期的にナスカンを点検し、表面の傷や金属の変形、回転部分の摩耗や緩みなどがないかを確認しましょう。特に、フック部分とDカン部分のすき間が広がっている場合は早めの交換が必要です。

フック部分とDカン部分のすき間が広がってきたら要注意
すき間が広がってきたら要注意

適切な荷重で使用

ナスカンは設計された耐荷重を超えて使用すると、破損につながる可能性があります。また、荷重が不安定な状態で使用しないことも大切です。例えば、急な衝撃や荷重が偏った状態では、耐荷重以内でも負担が増えて破損の原因になることがあります。
 

まとめ

ナスカンは、バッグやストラップはもちろん、ペット用リードにも広く使われる大切なパーツです。もしナスカンの軸が抜けてしまうと、大切なペットが逃げ出してしまう危険もあるため、日頃からの点検が欠かせません。ナスカンは消耗品であることを意識し、摩耗や緩みを見つけたら早めに交換することで、安全に使用することができます。
安心してナスカンを使い続けるために、定期的に点検を行い、耐荷重や使い方を守ることを心掛けましょう。

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