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【レビュー】レザークラフトに10年以上使った10倍ルーペ|池田レンズ工業 フラッシュルーペ「M-100」

池田レンズ工業のフラッシュルーペ M-100と10年以上使った旧M-100をライト点灯状態で並べた比較 レザークラフト
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レザークラフトで細かい部分を確認するとき、10倍のルーペがあると作業の精度が変わってきます。今回紹介する池田レンズ工業株式会社(I.L.K.)の「フラッシュルーペ M-100」は、LEDライト付きの片手持ちルーペで、手に持って見たいところに近づけて使うタイプです。

実は筆者はこれまで、父から譲り受けたM-100を10年以上使ってきました。その前に父が何年使っていたのかはわかりませんが、譲り受けた時点ですでに使い込まれた状態でした。接触不良が出てきたため買い替えを検討して調べてみると、同じM-100という品番が今も売られていました。そのまま買い替えたので、2台を並べて比較しながらレビューします。

はじめにお断りしておきます。古いほうは本体に「M-100」の品番こそ残っているものの、メーカー名の記載はどこにもありません。製造国の表記は、長年握ってきたせいでこすれてしまい読み取れない状態です。池田レンズ工業の製品なのかどうかも確認が取れていません。以下の比較は、あくまで「M-100と刻印された古い一本」と「今回購入したM-100」を並べたもの、として読んでいただければと思います。

旧M-100のヘッド側面に貼られた「M-100 10X」の品番シール

池田レンズ工業「フラッシュルーペ M-100」の基本スペック

池田レンズ工業株式会社は大阪市生野区に本社を置く、ルーペ・拡大鏡・双眼鏡の専門メーカーです。1923年にレンズ加工業として創業し、100年以上ルーペを作り続けています。M-100はその中の「フラッシュルーペ」シリーズの10倍モデルにあたります。

項目内容
品名フラッシュルーペ M-100
品番M-100
倍率10倍
レンズサイズ直径30mm
レンズ材質ガラスレンズ、プラスチックレンズ
本体サイズ縦180 × 横52 × 高47mm
重さ95g(本体)
使用電池単2乾電池 × 2本(別売)
製造国日本(本体に「MADE IN JAPAN」の表記)

※スペックは池田レンズ工業公式サイトの製品ページに基づいています(M-100製品ページ)。製造国は今回購入した製品で筆者が確認しました。

主な特徴

  • プラスチック枠にガラスレンズを使用したライトルーペです
  • レンズを覗くと0.5mm刻みの目盛が入っています
  • 使用時はルーペに目を近づけて覗き込みます

2台を並べて比較してみました

写真の左が10年以上使ってきた古いほう、右が今回購入したものです。どちらも「M-100」の品番ですが、光源や電池の入れ方は別物と言っていいくらい違います。

どちらもM-100なので紛らわしいため、この章では「古いほう」「新しいほう」と呼び分けます。

旧M-100(左)と今回購入したフラッシュルーペ M-100(右)を並べた外観比較
旧M-100(左)と今回購入したフラッシュルーペ M-100(右)

外観の違い

一番わかりやすいのはボディの色です。古いほうは黒一色で、グリップ部分に革のようなシボ加工が入っています。ヘッド部分も黒です。対して新しいほうはヘッドとキャップが白、グリップが黒のツートンカラーになっています。

グリップにあるスライドスイッチも、古いほうは金属パーツで、新しいほうは白い樹脂パーツです。全体的に新しいほうが軽快で、工業製品らしい仕上げになっています。

旧M-100の金属製スライドスイッチ(左)と現行M-100の白い樹脂スイッチ(右)の比較

光源が豆電球とLEDで違います

古いほうには豆電球が入っていました。長く使っているうちに球が切れたので、自分でLED電球に交換して使っていました。新しいほうは最初からLEDライトなので、この作業は不要です。

旧M-100に取り付けていたLED電球と、取り外したレンズヘッド。もとは豆電球だった
豆電球からLED電球に交換して使っていました

電池の入れ方が違います

古いほうは底のキャップを外して単2乾電池を入れる構造でした。新しいほうで電池を入れるときは、本体側面に書かれた「②TURN IT TO THE LEFT & PULL OUT 左へ回して引く」の手順になります。底部には「DON’T COME OFF THIS PART / UNDETACHABLE STRUCTURE(ここは外れませんので、無理に外さないでください)」と明記されています。

単2乾電池の入れ方の比較。旧M-100は底のキャップを外し、現行M-100は側面パーツを引き抜く

つまり新しいほうは底からは開きません。底を回して開けるタイプに慣れていると戸惑いますので、購入された方はまずこの表示を確認してみてください。単2電池2本を使う点は共通です。

フラッシュルーペ M-100の底部にある「ここは外れませんので無理に外さないでください」の注意表記

今回購入したM-100は日本製

新しいほうには、本体に「MADE IN JAPAN」とはっきり表記されています。外箱にも池田レンズ工業のI.L.K.ロゴと「MADE IN JAPAN」の記載がありました。

フラッシュルーペ M-100本体に刻印されたMADE IN JAPAN(左)と、外箱のI.L.K.ロゴとMADE IN JAPAN表記(右)

この価格帯の道具は海外生産に切り替わっていくことが多いなかで、国内生産が続いているというのは、なかなかないことだと思います。

同じ品番が今も買えるという安心感

10年以上前から手元にあるものと同じ品番の製品が、今も現行品として流通しているというのは、地味ですが大きなメリットだと感じています。「気に入っていたけれど廃番だった」というがっかりが起きにくいからです。ただし今回のように、品番が同じでも光源や電池の入れ方といった実用面が違っている場合があります。仕様や外観は改善のため予告なく変更されることがあると、公式にも記載があります。

レザークラフトでの使い方

筆者がM-100を使うのは、主に細かい部分の確認です。

  • コバの処理が均一に仕上がっているかを確認する
  • 菱目打ちの穴の間隔がずれていないか見る
  • 縫い目のピッチが揃っているかチェックする
  • 金具のキズや歪みがないか確認する
フラッシュルーペ M-100のライトを点灯して10倍に拡大したレザークラフト用のホック金具

10倍という倍率は、肉眼では見えない粗が容赦なく見えてしまうレベルです。仕上げの工程で自分の作業を見直すのに向いています。

そして見たい部分をライトで照らしながら拡大できるのが、思っている以上にありがたいところです。革は色が濃いものが多く、コバや縫い穴は覗き込む姿勢そのものが影を作ってしまいます。ルーペだけで見ようとすると、肝心の見たい場所が暗くてよく見えないということが起こります。M-100はレンズの下から対象物に直接光が当たるので、影ができにくく、確認したい部分がはっきり浮かび上がって見えます。部屋の照明が明るくない環境でも、これがあるとないとでは確認のしやすさがまったく違います。

フラッシュルーペ M-100のライト消灯時(左)と点灯時(右)で革の縫い目を見比べた比較
ライト消灯時(左)と点灯時(右)

手に持って見たいところに近づけられるのもレザークラフト向きです。革を動かさずに、確認したい部分へルーペを寄せていけるので、作業台に広げたまま、あるいは組み立て途中のものでもそのまま覗き込めます。

レンズを覗くと目盛が見えるのも便利です。0.5mm刻みなので、縫い穴のピッチや革の厚みをその場で測れます。

なお公式サイトには「ミリ・インチのメモリ付き」と書かれていますが、今回購入した製品に入っていた表記は「0.5M/M」だけでした。インチの目盛は見つけられませんでした。

使うときの注意点

倍率10倍のルーペは、視野が狭くなります。広い範囲をざっと見たい用途には向きませんので、あくまで「一点を詳しく見る」ための道具として考えてください。範囲を見渡したい作業もあるなら、低倍率のルーペと2本で使い分けるのが現実的です。

また、公式の説明にもある通り、目をルーペに近づけて覗き込むのが正しい使い方です。離して覗くと視野がさらに狭くなります。

こんな方におすすめです

  • レザークラフトや手芸で、細かい部分の仕上がりを確認したい方
  • 電子基板や部品などの検品作業をする方
  • 印刷物の網点や刻印を確認したい方
  • 長く使える定番品を選びたい方

逆に、読書や新聞を読むための拡大鏡を探している方には向きません。倍率が高すぎて視野が狭く、用途が違うためです。読むための拡大鏡なら、同じフラッシュルーペシリーズの低倍率モデル(2倍のM-320、3.5倍のM-323など)のほうが合っています。

まとめ

池田レンズ工業のフラッシュルーペ M-100は、10倍という高倍率とLEDライトを片手で扱える形にまとめた、実用一辺倒のルーペです。

父から譲り受けたM-100を10年以上使い、スイッチの接触が悪くなって初めて買い替えました。譲り受けた時点ですでに使い込まれていたことを考えると、この一本が働いてきた年数は10年どころではありません。それだけ使い続けられる道具で、なおかつ同じ品番が今も手に入るというのが、この製品をおすすめする一番の理由です。

長く使えるかどうかは、カタログのスペックを眺めても判断がつきません。実際に何年も使ってみて、はじめてわかることです。池田レンズ工業は1923年創業のルーペ専門メーカーで、今回購入したM-100は日本製でした。長く使える道具を選びたいなら、こうした背景を持つメーカーの製品を選ぶ意味はあるのだと思います。

光源がLEDで、電池も底面からは入れられませんので、底を開けるタイプのルーペに慣れている方は取り扱いの違いだけ頭に入れておくとよいと思います。

レザークラフトの仕上げ確認用として、これからも長く使っていくつもりです。

よくある質問

Q. M-100の電池は何を使いますか?

A. 単2乾電池2本(別売)を使用します。

Q. 電池はどこから入れますか?

A. 本体側面に書かれた「②左へ回して引く」の手順で、グリップ部分を引き抜いて入れます。底部は外れない構造になっていますので、無理に回さないようご注意ください。

Q. レンズはガラスですか?プラスチックですか?

A. 公式仕様ではガラスレンズとプラスチックレンズの両方が使われており、枠はプラスチック製です。

Q. 倍率10倍だとどれくらい見えますか?

A. 肉眼では気づきにくい金具の細かなキズや、コバに残ったわずかなケバまで見えます。印刷物の網点まで確認できるレベルです。ただし視野は狭くなりますので、広範囲を見る用途には向きません。

Q. M-100はどこで作られていますか?

A. 日本製です。今回購入した製品には、本体と外箱の両方に「MADE IN JAPAN」と表記されていました。

参考

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